株式会社 平田タイル ~基幹システムの再構築を機に帳票基盤を刷新

COMPANY PROFILE

本社 :大阪府大阪市
創業 :1919年
資本金:2億7150万円
売上高:240億円(2016年12月)
従業員数:325名
事業内容:建築用内外装タイル、石工品、衛生陶器、住宅関連設備機器、内外装建材、装飾ガラス、照明器具、家庭用電気製品の卸販売およびタイル工事施工、建築工事
http://www.hiratatile.co.jp/

基幹システムの全面再構築で
帳票基盤の刷新に着手

ドアを開けて一歩中に入ると、壁や床一面に色鮮やかな美しいデザインタイルが敷き詰められ、その輝きに目を奪われる。大阪市の本町駅近く、平田タイル本社に併設されたショールームの光景である。

1919年に京都で創業した同社は、タイルに代表される建築用陶磁器から事業をスタートさせたのち、システムキッチンやユニットバス、キャビネット洗面化粧台など、タイルが使用される水まわり全般の住宅設備に向けた販売・施工事業に進出した。

さらに専門商社として、国内外から広く取り寄せたデザイン性の高い最先端の商品を提供するだけでなく、オリジナルブランドによるタイル商品を開発・販売するなど、タイルと水まわりの総合プロデュース企業として発展している。

同社は1987年、当時のシステム/38を導入し、販売管理・工事管理を主軸とする基幹システムの運用をスタートさせた。その後2007年には、IBM i上で基幹システムの全面再構築に着手。建築商材の卸し業務に特化した「Expert-Ns」(中橋システム)を採用し、販売管理・工事管理に購買・在庫管理などの機能を加えた新しい基幹システムを実現している。

この基幹システムの再構築に際して、業務全般をあらゆる角度から見直すなかで浮上したのが、出力業務の改善と帳票基盤の刷新である。

当時は請求書、納品書、注文書の各帳票をラインプリンタにより、専用ストックフォーム(請求書は2枚の複写伝票)に印刷していた。そこで全国13の営業拠点に30台近く導入していたラインプリンタをレーザープリンタやオフィス複合機に切り替え、専用ストックフォームを廃止することで、帳票コストの削減と業務の効率化につなげようと考えたのである。

帳票基盤の刷新に向けた検討は、基幹システム再構築プロジェクトの終盤にスタートさせている。新システムが本稼働した2007年9月に先立つ同年5月に、「UT/400-iPDC」(アイエステクノポート)を採用した。これはIBM iのスプールデータからグラフィカルなPDFを生成し、レーザープリンタやオフィス複合機での印刷を可能にするIBM i専用のプリンティングソリューションである。

「IBM iでの実績が最も高かったことに加え、『UT/400-iPDC』ではオプション製品の使用により、クラウド型のFAX送信サービスであるコクヨの『@Tovas』と連携が可能であった点に着目しました。第1フェーズではストックフォームの廃止とレーザープリンタへの移行が目標でしたが、第2フェーズとしてFAX送信の自動化による業務効率化とペーパレスを見据えていたので、『@Tovas』との連携機能が決め手になりました」と、情報部の徳田智明課長は採用理由を語る。

徳田 智明氏
情報部
課長

「@Tovas」との連携や
ダイレクト印刷オプションの導入

「UT/400-iPDC」の導入は、2007年5月である。マルチオーバーレイ機能を利用して、情報部の担当者が自らの手で請求書、納品書、注文書の各帳票を新たに設計した。そして2008年初頭に、全営業拠点でラインプリンタからの移行とストックフォームの廃止を実現した(現在は物流業務の現場でのみ、ラインプリンタを残している)。

基幹システムの本稼働後は、安定運用に向けた改良をはじめ、ネットワーク環境の刷新、PCの入れ替えといった業務が優先されたため、当初の予定より少し遅れたものの、2011年5月には、「@Tovas」によるFAX自動送信がスタートした。「UT/400-iPDC」で生成したPDFの帳票を連携オプション経由で「@Tovas」へ送信し、そこから各取引先へ自動的にFAX送信する。

現在はメーカーへの発注書を中心に、納期回答書の一部を加えた月間約8000枚の帳票を、「@Tovas」経由でFAX送信しているという。

第2次フェーズではこのほか、「UT/400 ダイレクト印刷オプション」の導入も実現した。同社ではそれまで、生成されたPDFをレーザープリンタやオフィス複合機で印刷するために、「UT/400 自動印刷オプション」を利用していた。

しかしこれには管理用のWindowsサーバーが必要だったので、運用保守や障害時のバックアップ対応などの業務が依然として残っていた。

「IBM iは安定性が高く、運用管理が非常に楽である一方、Windowsサーバーではしばしば障害が発生し、その対応に時間をとられていました。しかし『ダイレクト印刷オプション』を導入することで、Windowsサーバーは不要となり、IBM iからダイレクトに印刷できるようになったので、サーバーコストの削減に加え、障害対応やOSのバージョンアップといった運用管理業務の効率化を実現しています」と、情報部の國枝剛主任は語る。

國枝 剛氏
情報部
主任

さらにアイエステクノポートでは、富士ゼロックス、コニカミノルタ、キヤノン、理想科学工業など各メーカーのプリンタに対応して、「UT/400 ダイレクト印刷オプション」のラインナップを充実させている。このことのメリットを、徳田氏は次のように指摘する。

「『UT/400-iPDC』が、いろいろなメーカーのプリンタに対するダイレクト印刷をサポートしたことで、性能や価格などさまざまな角度から製品を選べるようになり、プリンタの選択肢が広がったことを高く評価しています」

ちなみに同社では2015年に、「UT/400ダイレクト印刷オプション for Canon」を導入し、レーザープリンタやオフィス複合機をキヤノン製品にリプレースしている。

帳票データの活用には、今後も継続的に取り組んでいく方針である。たとえば現在、社内の文書管理規定に基づく帳票の保存・管理は、各営業拠点に任されている。そこで「UT/400-iPDC」でPDF化された帳票データを全社で統合的に管理し、必要な書類をすぐに探せるような環境を構築したいと考えている。

効率化に終わりはない。同社では今後も、現場の意見に耳を傾けつつ、帳票をはじめ多様な業務の効率化に取り組んでいくようだ。

[i Magazine 2017 Winter(2017年11月)掲載]

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