新製品「SS/TOOL-ADV for AI」を発売しました ~「SS/TOOL-ADV」の分析機能に生成AI連携を追加。日本語の質問でプログラムの影響調査が行えます。

アイエステクノポート株式会社は11月2日、IBM i向けアプリケーション開発・保守支援ツール「SS/TOOL-ADV」のプログラム分析機能に、生成AIとの連携機能を加えた新製品「SS/TOOL-ADV for AI」を発売しました。

SS/TOOL-ADV for AIは、SS/TOOL-ADVのプログラム分析機能と分析データベースに、新たなAI連携機能を組み合わせた製品です。IBM iの実行オブジェクトをもとに分析・蓄積したプログラム構造や呼び出し関係、フィールドの使用状況などを、生成AIから日本語の質問で検索・活用できます。

利用者はIBM BobやClaude CodeなどのAIクライアントのチャット画面から、「受注ファイルの数量を9桁に変更したい。影響するプログラムは?」といった質問を日本語で入力するだけで、関連するプログラムやファイル、更新・参照箇所などを調べられます(図表1)。

従来、専門的な知識や経験が必要だったIBM iのプログラム資産の調査・分析を、生成AIとの対話によって効率的に進められるようにし、アプリケーションの保守・改修、障害対応、技術継承などを支援します。

 

 

 

SS/TOOL-ADVのプログラム分析機能に
AI連携機能を追加

 

SS/TOOL-ADVは、当社が1995年に開発し、30年以上にわたって提供してきたIBM i向けアプリケーション開発・保守支援ツールです。IBM iの実行オブジェクトをもとに、アプリケーションの構成、プログラムの構造、フィールドの使用状況、データベースの関連などを分析し、その結果をIBM i上の分析データベース(リポジトリ)に蓄積します。

近年、生成AIを利用してプログラムのソースコードを解析し、仕様の理解や改修に役立てる取り組みが広がっています。しかし、システム全体の影響範囲を調査する場合には、多数のソースコードを読み込み、プログラム間の呼び出し関係やファイルの使用状況を一つひとつ解析する必要があります。

SS/TOOL-ADV for AIは、SS/TOOL-ADVの分析機能によって事前に解析・蓄積したデータを、生成AIの情報源として活用します。「このフィールドを更新しているプログラムはどれか」「このプログラムを呼び出しているのはどれか」といった質問に対して、AI連携機能を通じて分析データベースから必要な情報を取得できます。

これにより、大量のソースコードを生成AIに一から読み込ませることなく、効率的に調査を進められます。また、実行オブジェクトをもとにした分析結果を利用するため、実際には使用されていないソースコードが調査対象に混在することも防げます。

当社が実施した検証でも、ソースコードを生成AIに直接読み込ませる方法と比較して、回答速度や調査対象の正確性におけるメリットを確認しています(検証の詳細はこちら)。

 

MCPに対応し、IBM Bobや
Claude Codeから利用可能

 

新たに追加したAI連携機能は、生成AIと外部システムを接続する標準プロトコル「MCP(Model Context Protocol)」に対応しています。MCPサーバーとしてIBM i上で稼働し、AIクライアントからの要求に応じて、SS/TOOL-ADVの分析データベースを検索します(図表2)。

MCPサーバーはIBM iのPASE環境上のNode.jsで動作し、ODBCを介して分析データベースに接続します。Windowsなどに別途サーバーを用意する必要はありません。

利用者のPCにはMCP対応のAIクライアントを用意します。現在、IBM BobとClaude Codeで動作を確認しており、その他のAIクライアントについても検証を進めています。使用するAIモデルはクライアント側で選択するため、特定のAIモデルに依存しない構成となっています。

 

 

利用者がチャット画面から質問すると、生成AIは質問内容に応じて適切な検索ツールを選択し、MCPサーバーに処理を要求します。MCPサーバーは分析データベースを検索して結果を返し、生成AIがその内容を整理して回答します(図表3)。必要に応じて複数の検索ツールを連続して実行できます。

 

 

5つの分野の検索ツールで、
分析データを多角的に活用

 

新たなAI連携機能は、SS/TOOL-ADVが蓄積した分析データを利用するため、項目、ファイル、呼び出し関係、ソース、データベース定義・分析状況の5つの分野の検索ツールを提供します(図表4)。

 

・項目の分析:特定のフィールドを使用するプログラムや、更新・参照している箇所を調査します。

・ファイルの分析:ファイルの使用状況や関連するプログラムを調査します。

・呼び出し関係の分析:プログラム間の呼び出し関係や処理のつながりを調査します。

・ソースの分析:調査対象となるプログラムのソースコードを確認します。

・データベース定義・分析状況の確認:データベースの定義情報や分析データの状況を確認します。

 

RPG(ILE RPGのフリーフォームを含む)、COBOL、CLに対応しており、生成AIはプログラムの属性に応じて適切な検索ツールを選択します。検索結果にはプログラム名やファイル名だけでなく、オブジェクトに設定されたテキスト(説明)も含まれます。

たとえば「SDV010」というプログラム名に「受注入力」という説明が付いていれば、利用者が「受注に関係するプログラムを調べたい」と質問した場合でも、業務上の名称を手がかりに関連するプログラムやファイルを探し出せます。

 

 

影響調査、障害対応、技術継承など
幅広い場面で活用

 

代表的な用途は、フィールドの桁数変更や仕様変更に伴う影響調査です。たとえば「受注ファイルの数量を9桁に変更したい。影響するプログラムは?」と質問すると、生成AIはファイルの検索、対象フィールドを使用するプログラムの特定、更新箇所の確認、呼び出し元の調査などを順番に実行し、その結果を整理して回答します(図表5)。

さらに、「更新している3本のソースを見せて」「そのプログラムを呼び出している処理は?」などと質問を重ねることで、関連する情報を段階的に掘り下げられます。

 

 

障害対応においても、問題が発生したフィールドやファイル、プログラムを起点として、関連する処理や呼び出し関係を調べ、原因箇所の絞り込みに役立てられます。担当者交代や新任技術者の教育にも活用でき、システム構造や個々のプログラムの役割を対話しながら理解できます。

プログラムの呼び出し階層やファイルのキー構成は、テキスト形式に加えてMermaid形式の図として出力することも可能です。図にはオブジェクトの説明も表示でき、業務上の名称とプログラムの関係を視覚的に把握できます(図表6)。

 

 

SS/TOOL-ADVの分析技術と
生成AIの強みを組み合わせる

 

SS/TOOL-ADVが得意とするのは、プログラム間の呼び出し関係やフィールドの使用箇所など、システム全体にわたる構造的な分析です。一方、生成AIは、個々のプログラムの処理内容の解釈、修正方法の検討、調査結果の要約、ドキュメントの作成などに強みがあります(図表7)。

SS/TOOL-ADV for AIは、SS/TOOL-ADVの分析データを使って調査対象を絞り込み、その結果をもとに生成AIが詳細な解釈や説明を行えるようにする製品です。既存の分析機能と新たなAI連携機能を組み合わせることで、両者の長所を生かした調査・分析を支援します。

 

 

IBM i上で稼働し
セキュリティにも配慮

 

SS/TOOL-ADV for AIは、社内LANでの利用を想定し、セキュリティに配慮した仕組みを備えています(図表8)。分析データベースへの接続には、特殊権限を持たない専用ユーザーを使用し、アクセス権限を参照のみに制限します。

MCPサーバーへの接続にはトークン認証を必須とし、トークンが設定されていない場合はサーバーが起動しません。付属のスクリプトで証明書を作成し、HTTPSによる暗号化通信に切り替えることもできます。

検索ツールの実行内容は利用ログに記録され、ログの保持期間も設定できます。内部エラーの詳細はサーバー側のログにのみ記録し、AIクライアントの利用者には返さない設計です。

なお、AIモデルには利用者の質問とともに、検索結果に含まれるプログラム名、フィールド名、ソースコードの一部などが送信されます。導入にあたっては、AIサービスのデータ取り扱い条件を確認し、お客様のセキュリティポリシーに沿った運用を推奨しています。

 

 

既存のSS/TOOL-ADVユーザー向けに
AIオプションも提供

 

SS/TOOL-ADV for AIは、SS/TOOL-ADVのプログラム分析機能と分析データベースに、生成AIとの連携機能を加えた製品です。ただし、従来のSS/TOOL-ADVが備える5250画面による照会機能や、プログラム仕様書などのドキュメント出力機能は含まれていません。

これらの従来機能とAI連携機能をあわせて利用したいお客様向けには、SS/TOOL-ADV本体にAI連携機能を追加する「SS/TOOL-ADV AIオプション」もご用意しています(図表9)。

すでにSS/TOOL-ADVを利用しているお客様は、これまで蓄積してきた分析データをそのまま生成AIから活用できます。新たに導入するお客様も、AIオプションを組み合わせて利用できます。

 

 

製品の構成

製品
製品名 SS/TOOL-ADV for AI
構成 分析機能、分析データベース、AI連携機能(MCPサーバー)
オプション製品 SS/TOOL-ADV AIオプション(SS/TOOL-ADVにAI連携機能を追加)
IBM i ホスト
OS IBM i(IBMがサポートしている範囲を推奨、最新PTF推奨)
言語環境 日本語
対象言語 RPG:RPG III、ILE RPG(固定形式・フリーフォーム)
COBOL:COBOL/400、ILE COBOL
CL:CL、ILE CL
DDS:物理ファイル、論理ファイル、表示装置ファイル、印刷装置ファイル
備考 Power Virtual Serverで利用する場合、仮想マシンのハード・ピン留め、または仮想シリアル番号の利用が必要
クライアント
OS Windows 10、Windows 11
AIクライアント MCP対応のAIクライアント(IBM Bob、Claude Codeで動作確認済み。ほかのクライアントも検証中)
接続 社内LANからIBM iへHTTPまたはHTTPSで接続

 

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