IBM i環境では、ドットプリンターやラインプリンターが長年にわたり帳票出力の中心として利用されてきました。しかし近年では、レガシープリンターを取り巻く環境が大きく変化し、多くの企業が印刷・帳票環境の見直しを迫られています。
一方で、単に古いプリンターを新しい機種へ置き換えるだけでは、現在の業務課題を十分に解決できるとは限りません。これから求められるのは、印刷環境だけでなく帳票運用そのものを見直し、「帳票マネジメント」を近代化することです。
このブログでは、レガシープリンターが抱える課題と、複合機・オープン系プリンターへの移行のポイント、さらにIBM i環境における帳票運用の近代化を実現する方法をご紹介します。
レガシープリンターを取り巻く環境は
大きく変化している
5577や5579などの型番で知られるIBM i向けドットプリンターやラインプリンターは、複写伝票や連続帳票を高速かつ安定して印刷できることから、多くのIBM iユーザーに利用されてきました。
しかし現在では、こうしたレガシープリンターの継続利用が難しくなっています。
主な理由として挙げられるのは、メーカーによる製造・販売終了や保守サービスの終了です。さらに、保守部品の調達も年々難しくなっており、中古機を確保して運用を継続している企業も少なくありません。また、専用帳票や連続用紙の価格上昇により、印刷コストや運用コストも増加しています。
実際、当社でも、2026年に入ってから印刷環境に関するお問い合わせが特に増えています。
「保守期限が切れる前に移行したい」「部品が入手できなくなる前に対策したい」といったご相談に加え、「IBM iはそのまま利用しながら、印刷環境だけを刷新したい」というニーズも数多く寄せられています。
複合機・オープン系プリンターへの
移行が進む理由
こうした課題を受け、多くの企業が複合機やレーザープリンターへの移行を進めています。
現在のオフィスには、複合機やレーザープリンターが既に導入されているケースが多く、それらを帳票出力にも活用することで、新たな専用プリンターを購入する必要がありません。
さらに、
・プリンター台数の削減
・保守対象機器の集約
・印刷コストの削減
・運用負荷の軽減
といった効果も期待できます。
当社のお客様の中にも、多数のレガシープリンターを複合機へ集約し、約60台あったプリンターを約32台まで削減したケースもありました(事例記事はこちら)。
プリンターを置き換えるだけでは解決しない
ただし、レガシープリンターから複合機へ移行する際には、単純な機器の置き換えでは済みません。
従来のドットプリンターは、
・複写伝票
・専用帳票
・連続用紙
を前提とした運用が一般的です。
一方、複合機はA4/A3などのカット紙印刷を前提としています。そのため、
・複写伝票をどのようにカット紙へ置き換えるか
・納品書・受領書・控えをどのように出力するか
・保存用帳票だけ電子化するか
・印刷用と保存用の帳票をどう振り分けるか
など、帳票設計そのものを見直す必要があります。つまり、プリンターの更新と同時に、帳票運用全体を見直すことが重要になります。
帳票マネジメントの近代化がDXの第一歩
従来の帳票運用では、「スプールデータをそのまま印刷する」ことが目的でした。しかし現在では、スプールデータを一度PDFへ変換し、用途に応じて活用するという考え方が主流になりつつあります。
たとえば、
・グラフィカルPDFの生成
・帳票レイアウトの変更
・納品書・受領書・控えの自動分割
・必要な帳票だけ印刷
・控えの電子保存
・メール配信
・ファイル転送
・電子帳簿保存法への対応
など、1つの帳票データをさまざまな用途へ展開できるようになります。帳票は単なる印刷物ではなく、業務で活用できる情報資産へと変わっていきます。
IBM iユーザーを支える「UT/400ファミリー」
こうした帳票運用の近代化を強力にご支援するのが、当社の「UT/400ファミリー」です。
UT/400ファミリーは、IBM iのスプールデータを活用し、PDF・CSV・Excelへの変換や印刷、およびデータ連携を実現するソリューション群です。必要な機能だけを導入できるため、小規模な導入から段階的に運用を拡張できる点も特長です。
主な製品は次のとおりです。
・UT/400-iPDC:スプールデータをグラフィカルPDFへ変換
・UT/400-SDP:CSV・Excel・テキストへの変換
・UT/400-SPA:スプールデータの仕分け・帳合
さらに、各種オプションを組み合わせることで、印刷やメール配信、ファイル転送などの自動処理にも対応できます。
UT/400-iPDCで帳票出力を近代化する
UT/400-iPDCは、指定したOUTQへ出力されたスプールデータを監視し、オーバーレイ情報を重ね合わせることで見やすいPDFを生成します。オーバーレイでは、罫線や色、フォントサイズ、レイアウトなどを自由に設定できるため、従来のスプールデータをグラフィカルな帳票へ変換できます。
生成されたPDFはIBM iのIFSへ保存され、印刷だけでなくメール送信やファイル転送など、さまざまな業務へ活用できます。
また、複写伝票についても、
・1ページへ集約する
・ページごとに分割する
・印刷用と保存用に処理を分ける
など、用途に応じた柔軟な出力が可能です。これらはアプリケーションを改修することなく実現できます。
印刷環境に合わせて選べる2つの印刷方式
PDF生成後の印刷方法も、運用に応じて選択できます。
ダイレクト印刷オプション
IBM iから対応する複合機へ直接PDFを送信する方式です。
Windowsサーバーが不要で、サーバーレス運用を実現できます。両面印刷やトレイ指定、ステープル、パンチなど、複合機の各種機能も利用可能です。
自動印刷オプション
Windowsサーバーを経由し、プリンタードライバーを利用して印刷する方式です。メーカーや機種を問わず利用できるため、既存の印刷環境を活かしたい場合に適しています。
IBM iを活かしたままDXを実現する
印刷環境の刷新は、IBM iの置き換えを意味するものではありません。現在の業務システムはそのまま利用しながら、帳票出力だけを最新の複合機へ移行することで、ペーパーレス化や帳票データの活用を進めることができます。
システム全体を一度に刷新するのではなく、印刷環境から段階的にDXを進められる点も大きなメリットです。
まとめ
レガシープリンターの更新は、単なるハードウェア更新ではありません。保守終了や部品供給停止への対応だけでなく、帳票運用全体を見直し、情報資産として活用できる仕組みへ移行することが重要です。
当社のUT/400ファミリーは、IBM i環境をそのまま活かしながら、帳票出力の近代化とDX推進を支援します。
レガシープリンターからの移行をご検討中のIBM iユーザー様は、ぜひこの機会に帳票マネジメント全体を見直していただければと思います。











