連載コラム|探訪 Inside the IBM i が始まります!

連載コラム|探訪 Inside the IBM i ~(3)「シルバーレイク・プロジェクト」のスタート

前口上 ~ご挨拶

1988年6月20日。IBM iの前身である「AS/400」が発表されました(正式な発表日は、翌21日となっています)。それから30年以上、AS/400は「iSeries」「System i5」などと名前を変更したものの、基本的な設計思想は変えることなく、世界で約100万台(推定です)を販売し、現在に至ります。

この間、システムコードの全面的な書き換えやRISCプロセッサの採用、他のOSへの対応といった技術的な大改革を何回も重ね、その一方、業績面では破竹の勢いと低調のうねりを繰り返してきました。

そして何よりも驚くべき事実は、IBM iへと名前を変えたAS/400は今も現役で、技術革新を続け、市場のリーダー的存在であり続けていることです。

このコラムでは、現在のIBM iの強さや卓越性の理由を、IBM iの30余年の歩みの中に探しながら、時にはノート風に、時にはエッセイ風に綴っていきたいと思っています。お気づきの点やエピソードがありましたら、ぜひご一報をお願いいたします。また、断続的な連載となりますことをご了承ください。

 

1988年6月20日

さて、1988年6月20日。コラムをお読みの方の中には、まだ生まれていない方も少なくないと思いますが、この日は月曜日で、東京の天気は曇天の最高気温26.6度、最低気温21.0度という、梅雨の谷間の蒸し暑い日でした。

当時、日本IBMの発表は、火曜・水曜か金曜に行われるのが通例でした。火曜・水曜ならよいニュース、金曜ならネガティブな内容というのが通り相場で、それは火曜・水曜なら翌日の朝刊に掲載可能で、翌週月曜発行のビジネス週刊誌や経済誌にも間に合ったからです。金曜発表になると掲載は翌日土曜日となり、週刊誌なら翌々週の発行号になってしまいます。つまり、タイムリーに情報を伝えるのなら火曜・水曜、あまり人目にさらしたくない情報は金曜のほうがグッドタイミングだったのです。

ではなぜ、AS/400は月曜に発表されたのでしょうか。それも「1988年6月21日(火)、世界同時発表」という公式アナウンスに先んじて。この答えは、次回のコラムでご紹介しますが、みなさんもぜひ、想像をめぐらせてお考えください。

では次回をお楽しみに!

1988年6月に発表されたAS/400 B-10(エントリーモデル) 

写真:スペイン国立科学技術博物館

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