IBM社長 ジム・ホワイトハースト氏が退任 ~システムズ部門はHPE30年の大ベテラン、ルイス氏が着任 

 

IBMの社長を務めていたジム・ホワイトハースト氏が退任したことは、ニュースでご覧になったかもしれません。先々週末の金曜日(7月2日)に、会長兼CEOのアービンド・クリシュナ氏が直接発表するという形で公になりました。わずか1年あまりの社長在任でした。

この発表は米国のメディアやアナリストらにとってかなり衝撃的だったようで、米Wall Street Journal紙などは「クリシュナ氏がCEOに就任して以来、最大の出来事」と報じています。

ホワイトハースト氏は、IBMが2018年に買収したRed HatでCEOを10年以上にわたって務めていた人で、買収が完了すると、今度はIBMの社長として迎えられます。

この人事は、大方のメディアに好感をもって受け止められらました。なぜなら、IBMはRed HatのOpenShiftを軸に従来からのハイブリッド/マルチクラウド戦略を抜本的に改革中で、IBMの新しい新戦略をリードできるのは、オープンソースの世界で絶大な影響力をもつホワイトハースト氏こそ適任と考えられたからです。

ホワイトハースト氏なき後のIBMのハイブリッド/マルチクラウド戦略が、今後どのように展開するかは不透明です。9月1日誕生する新生IBMの新しい事業方針を注目したいところです。

ホワイトハースト氏はIBM社長として、「クラウド&コグニティブ・ソフトウェア」と「コーポレートストラテジー」を担当していました。クリシュナ氏の発表では、ホワイトハース氏が退任した後の、後任の名前が挙げられています。

クラウド&コグニティブ・ソフトウェアは、システムズ部門の長であったトム・ロザミリア(Tom Rosamilia)氏の担当となりました。システムズ部門はPower SystemsやIBM Z、ストレージなどを管轄している部門です。

そのロザミリア氏の異動で空席となったシステムズ部門の責任者には、リック・ルイス(Ric Lewis)氏が着任しました。ルイス氏は、ヒューレット・パッカード・エンタープライズで30年以上にわたりハードウェア/ソフトウェアの開発をリードしてきた大ベテランです(最終職位はシニア・バイスプレジデント)。

コーポレートストラテジーは、ケネス・ケバリアン氏の担当となりました。同氏はジニー・ロメッティ氏のCEO時代にコーポレートストラテジーを担当していた人で、こちらは返り咲きとも言えます。e

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