パートナー紹介|中橋システム ~熟達の業種特化型パッケージ「Expert-Ns」を軸に事業を拡大、UT/400-iPDCを帳票ソリューションとして選択

創業107年の歴史
挑戦と創意の歩み 

石川県金沢市に本社を構える中橋システム株式会社は、IT業界には珍しく1915(大正4)年創業の老舗タイル工事業が前身という100年以上の歴史があります。卸売業・工事業で北陸一円に事業を拡大し、創業から約60年を経た1974年に、現在のシステム事業につながる1つの転機が訪れます。それは日本IBMの中型コンピュータ「システム/3」を導入し、自前で経営管理システムを構築したことです(創業~1994年の社名は前身の「中橋タイル」)。

現・代表取締役社長の福井和枝氏は、次のように振り返ります。

 

福井 和枝 氏

中橋システム株式会社
代表取締役社長

「当時の社長は、事務の効率化や経営に役立つことなら何にでも挑戦しようという意欲的な人でしたので、私も一所懸命ついていき、設計からプログラミングまで一人でこなして基幹システムを構築していきました。事業の順調な伸びと共にシステムの増強が相次いで必要になり、システム/32、34、38と新マシンを更新し、AS/400(IBM iの前身)の導入へと至っています」

「『現物と理論在庫の一致』『現場の進捗や業績の見える化』『業績と財務の一致』など、コンピュータを導入すればすべて解決すると思っていた社長の期待に応えるべく、システム開発はもちろん、初めてコンピュータを触る社員への教育も行っていました」と、福井氏は話します。

「倉庫担当者には、在庫・現場品・B級品など商品置場を区別し、出荷伝票をもとにした出荷処理を行ってもらい、タイル職人には作業日報を入力してもらいました。そうすることで、在庫を一致させる、日次で現場の原価を把握することを狙ったのですが、右往左往の毎日でした。おそらく誰もうまくいくとは思っていなかったのでしょうね。だからシステムが完成した時に、すごく評価されました。税務署からは優良法人として表彰されたり、当時のIBMユーザー研究会に呼ばれ、体験談をお話したこともありました。その仕組みは今もExpert-Nsの根底にあって、経験と知恵が受け継がれています」(福井氏)

 

自社で使い込んだシステムを 
Expert-Nsとして製品化

ここで、今名前の挙がった「Expert-Ns」について触れておきましょう。

中橋システムは、創業から80年を経た1994年の分社化を機に、自前の経営管理システムを独自に発展させた「業種特化型パッケージExpert-Ns」を創出します。

Expert-Nsは、物販管理と工事原価管理の機能を中核にもつ、オールインワンの業種特化型 次世代 統合基幹システムです。

特徴は、何よりも自社の住設卸売業・専門工事業で20年にわたって使い込まれ、磨き上げられた基幹システムをベースとしていたことです。分社化に関わった外部コンサルタントはシステムを精査して、「この機能群と完成度なら外販してもきっと売れます」と太鼓判を押したほどでした。福井氏は、「その話を聞いた時は私たちのほうがびっくりで、初めて自社システムの価値を知ったほどでした」と、当時の驚きを振り返ります。

Expert-Ns 管理プロセス概要

2000年にTOTO販売子会社向けのExpert-Nsベースの経営管理システムを受託してからは、外販の事業領域を広げていきました。福井氏はExpert-Nsの特長について、「お客様のビジネスをさらに強くする、差別化する、武器となる仕掛けがたくさん埋め込まれていることです」と語ります。

「システムというのは、人がやるべきこととシステムによって自動化すべきことをきちっと分けたうえで構築されるべきものと思っています。たとえば販売管理システムと会計システムの連携はすでに一般的ですが、未だに連携させずに人がその中継作業を行っているケースが少なくありません。また連携しているといっても、手間や時間がかかったりして、効率的でないことも数多く見受けられます。Expert-Nsはその点、ユーザーの視点であるべき姿を追求したオールインワン・システムなので、機能と使いやすさには自信があります。ただし、デモを見ていただかないとそのよさが伝わらないのが、何とももどかしいところです」(福井氏)

ソリューション営業本部 営業・企画部の砂山由美子部長は、福井氏の言葉に続けて「中橋システムの社員がお客様と深い会話ができること」をExpert-Nsの強みとして挙げます。

「『基幹システムには企業文化が反映されている』とお客様に言われたように、お客様の文化やビジネスの進め方には特長があり、一つとして同じものはありません。お客様の課題、お困り事に耳を傾け、お客様と一緒に解決の方向を探っていくことが重要です。お客様と会話する際には、業界特有の専門知識や知見が不可欠で、弊社社員はそのあたりを持ち合わせており、突っ込んだ深い会話が可能です。そうしたこともExpert-Nsを他製品から差別化する大きなポイントで、当社の強みと考えています」と、砂山氏は説明します。

砂山 由美子 氏

中橋システム株式会社
ソリューション営業本部
営業・企画部 部長

Expert-NsにUT/400-iPDCを
バンドルして販売・構築   

中橋システムは、2011年に独立型のシステム・ベンダーとして新たなスタートを切ります。製品面でもExpert-NsのWeb化という大改修に踏み切り(従来は5250画面ベース)、そのWeb化+PDF出力帳票の対応ソリューションとしてアイエステクノポートのUT/400シリーズの取り扱いを開始します。Expert-NsやUT/400をご使用で、公表可能なユーザー名を挙げると、ハウステック、クリナップ、エーアンドエーマテリアル、精研などと業界屈指の企業名が並びます。

Expert-NsとUT/400シリーズの共通点について、中橋システム社内では次の声が挙がっています。

「Expert-NsとUT/400シリーズは、IBM i上で稼働し専用サーバーが不要なことや自社開発製品ということなど外形的に似ている点がいくつかあります。しかしそうしたこと以上に、最初にUT/400シリーズに触れた時に、お客様視点をもつプロフェッショナル集団の製品という、Expert-Nsと相通じるものを強く感じました。だからUT/400シリーズは帳票設計が簡単で、メンテナンスが楽で、周辺の機能が充実しているのです。完成度の高い製品だと思いました」

同社は2013年にアイエステクノポートと代理店契約を結び、それ以降、UT/400-iPDCをExpert-Nsにバンドルして販売・構築しています。そして案件ごとに、デモやトライアル環境の構築、事前検証などで協業関係も築いています。砂山氏は、「製品について質問や問い合わせをするとすぐに回答があり、いつも助かっています。そうした対応の早さやきめ細かさにも、利用者目線の会社ということを感じます」と語ります。現在、「Expert-Nsユーザーの6割がUT/400-iPDCを利用中」(砂山氏)とのことです。

 

次世代の人づくりと
製品強化に真摯に取り組む  

2011年の独立後も着実に業績を伸ばし、2019~2021年と連続して東京商工リサーチによって「北陸の優良企業」(評点65点のAランク企業)に選出されています。そして今、「2030年ビジョン」を経営目標に掲げ、次世代の人づくりと製品強化に取り組んでいます。

この取り組みについて福井氏は、「Expert-Nsにはお客様の武器となる仕掛けがたくさんありますと先ほどお話しましたが、そのことをお客様にきちんとご説明し提案できる人材が必要なのです。お客様のビジネス環境は刻々と変化し、Expert-Ns自体も進化を続けています。そうした事柄を踏まえて人づくりと製品強化を進めています」と背景を説明します。

中橋システムの「2030年ビジョン」

 

人づくりに関して、常務取締役の中橋佑実子氏が中心となり進めています。中橋氏は、「『お客様の成長戦略とともに』という全員のテーマと『業種に特化したパッケージ(Expert-Ns)ビジネス』をベースにした『人づくり経営』を行っています」と説明します。今年(2022年)3月にA3用紙・約30ページに及ぶ「職能要件書」をまとめています。「各部門で必要となる知識・スキル・執務態度を職務別に整理して目指すべき目標を明文化したもので、これによって業務の標準化・高度化も狙いとしています」と、中橋氏は言い、次のように続けます。

中橋 佑実子 氏

中橋システム株式会社
常務取締役長

「当社は毎年の年度初めに経営方針発表会を実施しています。事前に社長から公開された経営方針を基に、全社員が各自の年間計画書を作成し発表することを50年近く継続実施しています。この年間計画書は、個々人のキャリアプランおよび目標管理と連動していて、そのベースになるのが職能要件書です。目標管理に関しては、四半期ごとに上司との状況および進捗確認を行い、半期ごとには社長との面談も実施しています。個人が目標を達成すると、自動的に部門および会社の目標が達成できるように運用していて、社員が公平な評価の下で、生き生きと働けるようにするためのものです。『人づくり経営』は難しい側面もありますが、いろいろな意見を聞きながら実施しているところです」(中橋氏)

一方、製品強化については、その1つとしてExpert-Nsの多様なデバイス連携とクラウドへの対応も進めています。

多様なデバイス連携の1つであるLINE対応について砂山氏は、「現在、さまざまな業務で、『正確で素早い情報の収集と連携』の必要性が叫ばれています。たとえば取引先への納期回答でも、FAX送信の手間がかかったり、社外へ出てしまうと確認が遅れたりなどタイムラグが生じてしまいます。Expert-Nsのお客様からも“人手のかかる手間をなくしたい。社外から簡単にアクセスできる仕組みがほしい”というご要望をいただいており、お客様の人手不足を補いスピードの向上でも必要な機能と考え、目下開発を進行中です」と語ります。

同社は2022年11月に東京オフィスの移転を完了し、営業・開発の新たな拠点として拡充しています。福井氏は、「当社は創業当初から“お客様とともに栄え成長を目指す”という経営理念の下に、独自のモノづくりを大切にしてチャレンジし続けてきました。中橋ブランドはこれからもお客様とともに進化し続けていきます」と、力強く抱負を述べています。

(*)Expert-Nsは中橋システム株式会社の登録商標です。

 

COMPANY PROFILE

パートナー名

中橋システム株式会社

本社

〒921-8011 石川県金沢市入江2-346

東京オフィス

〒112-0006 
東京都文京区小日向4-2-6 プライム小石川ビル3F

創業

1915年4月

設立

1964年6月

資本金

8000万円

社員数

45名

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